SWGsへの取り組みに向けて
SDGsも残すところ5年となりましたが最近ビヨンドSDGsとしてSWGsの言葉がマス コミ報道や経済界等で話題になってきております。 その背景は2000年に発行した発展途上国を支援する色合いの濃いMDGsを経て 2015年により先進国や新興国も含めた持続可能性に注目したSDGsが合意されま した。世界の意識の変化からサスティナブルな社会に向けて温室効果ガス排出の削減 問題や循環型社会への転換を目指すサーキュラーエコノミーの進展など着実に効果が 出てきております。しかし2008年のリーマンショックで顕在化した1980年か らの新自由主義(市場原理主義)のグローバル化に伴う社会の格差拡大が社会の分断 を起こし「人間の幸せとは何か」が問われることが大きな問題となりました。そこで 1948年WHOの憲章のWell-beingの定義が再評価されてきております。そこからサ スティナビリティだけでなくウェルビーイングな社会を目指すSWGsが言われるよう になりました。
Well-being(ウェルビーイング)とは
「心身ともに満たされた良い状態が持続的に続くことを意味する多面的な幸福」と考えられます。
Well-being(ウェルビーイング)の三大要素
- 身体的健康:病気や怪我がなく、毎日元気に活動できるエネルギーが有る状態
- 精神的な健康:精神的に安定しており、ポジティブな感情を持ち、ストレスに対処
できる状態 - 社会的つながり:他者と良好な関係を築き、社会的に満たされている状態
Well-being(ウェルビーイング)のPERMA理論の5つの要素
Positive Emotion(ポジティブな感情)
喜び、感謝、楽しさといった前向きな感情を経験することです。
Engagement(没頭)
自分が得意なことや興味のある活動に、時間を忘れるほど没頭する状態です。
Relationships(人間関係)
家族、友人、同僚など、他者との良好で建設的な関係を築くことです。
Meaning(意味・意義)
自分の人生に意義や目的を見出し、より大きなものと関わっていると感じることです。
Accomplishment(達成)
目標を設定し、それを達成することによって自己効力感や満足を得ることです。
Well-being(ウェルビーイング)が社会に与える影響
個人の生活の充実
ストレス耐性を高め、人間関係を改善するなど、充実した人生を送る基盤になる
企業の生産性の向上
従業員のウェルビーイングが高まると、仕事のモチベーションや創造性が向上し、組織全体の生産性が向上する
持続可能な社会
SDGsにても「すべての人に健康と福祉を」という目標の達成や社会全体の安定が図られます。
人的資本の強化とWell-being(ウェルビーイング)
人口減少社会の到来による人手不足は企業に取って深刻な問題です。又、労働生産性を上げていくには分母である労働量の投入を改善するDXの活用やロボットの導入が進
められています。しかし、一番大切なことは分子である得られる価値の増大が最も有効であることです。
そこで、現在企業が取り組んでいる人的資本の強化策として3つの動きがあります。1. 日本型ジョブ型雇用を含む処遇制度の検討、特に優秀な人材への適切な報酬の支払いによる人材確保が中心になっています。
2. DEI(多様性・公平性・包摂性)への取り組み、特にジェンダーギャップの解消は急務と言われています。
3. 「心理的安全性」への取り組み、従業員が安心して自由にモノが言える企業風土づくりは組織の健全性からも不可欠です。
皆さんの会社の従業員はWell-being(ウェルビーイング)な状態でしょうか!?
未来に生き残り持続可能で成長性の高い企業になるためには従業員の価値創造力の向上は最も重要なファクターであり必須事項です。
私たちと一緒に考え・行動しWell-being(ウェルビーイング)な集団になりましょう。

